最近、住宅宅地再建に関する仙台市独自の支援制度がいろんなところで物議を醸しているいるようだ。
本年9月まで財務大臣を務めていた民主党の幹事長代行なる者が、石巻市で「自分の所は金があるから助ける。隣りの貧乏な街はどうなってもいいのか」と声を張り上げ、仙台市長を批判したとのこと。
防災集団移転促進事業の対象外とされた被災者への財政支援について、復興交付金の対象とするよう、県市長会をはじめ被災自治体が国に対して強く要望してきたことを前の財務大臣が知らないはずはあるまい。
国が被災地の要望に応えないから、各自治体は独自の支援制度を創設して、被災者の住宅再建を促進しようとしているのである。被災地の声に耳を貸さなかった政府や民主党の対応を棚に上げて、仙台市長を批判するのはお門違いといううものだ。
仙台市は、津波により被災した東部地域の住宅宅地の再建支援と西部丘陵地等の被災宅地の復旧支援とを合わせて約100億円の独自支援措置を行うことにしている。
この財源は、既存事業を見直したり、新規事業を取りやめたりして捻出するものであり、様々な行政ニーズを犠牲にし、市民に我慢をお願いして生み出すものである。
自治体の自助努力をないがしろにする前財務大臣の発言にはあきれるが、一方で、「自治体が自らの財政力を考えながら被災者にできることをするのは当然」とする村井嘉浩宮城県知事の見識ある発言には敬意を表したい。