東日本大震災から2年目となる今日、仙台市追悼式に出席しました。発災時間に合わせて開催された政府主催の東日本大震災二周年追悼式が放映され、天皇陛下のおことばを賜りました。
天皇陛下は、おことばのなかで、「このたびの津波災害において、私ども災害に関し、日ごろの避難訓練と防災教育がいかに大切であるかを学びました」とお話しされました。
おことばをお聞きし、皇后陛下が平成11年の御誕生日の記者会見でお話しされたことを思い出しました。「子供のころ教科書に、確か『稲むらの火』と題し津波の際の様子を描いた物語があり、その後長く記憶に残ったことでしたが、津波であれ、洪水であれ、平常の状態が崩れた時の自然の恐ろしさや、対処の可能性が、学校教育の中で、具体的に教えられた一つの例として思い出されます」とおっしゃっておられました。
「稲むらの火」は、1854年の安政南海地震津波で紀伊国広村(現在の和歌山県広川町)が大津波に襲われた際の故事で、一人の老人が地震後、津波が襲ってくると予感し、収穫した大切な稲むらに火を放ち、多くの村人を救った物語で、かつて国定国語教科書に掲載されていました。
この「稲むらの火」が64年ぶりに平成23年度から小学校の教科書に再び掲載されました(仙台市については、この教科書を採択していません)が、教科書への掲載は東日本大震災の発災前に決まっていたことでもあります。
東日本大震災を経験した私たちには、「現代の稲むらの火」を探し出し、防災教育の中にきちんと位置づけ、東日本大震災から学んだ教訓を次の世代に伝えていくことが求められていると思います。