中心市街地再生の成功事例として注目を浴びている、香川県高松市の高松丸亀町商店街のまちづくりを東西線沿線整備調査特別委員会で視察しました。
瀬戸大橋や郊外の大型店舗の登場によって中心市街地の活気が失われる中、高松丸亀町商店街は、定期借地権の利用、まちづくり会社によるテナントの一括管理、ビル全体の収益と地代の連動など、特徴的なスキームを用いて再開発事業を進めています。
高松丸亀町商店街の振興組合が策定した開発コンセプトは、①市民が集う、にぎわいの広場を中心とした、都心にふさわしい商業機能の充実、②不足業種及びコミュニティ施設の導入、③都心居住を促進する階上住宅の建設です。特に③の考えで建設された分譲マンションは、定期借地権の利用により安価なことから人気を博しており、定住人口の増加につながっているようだ。
A街区のドームから眺めた高松丸亀町商店街
ところで、10月12日に大変ユニークな診療所がオープンしました。商店街振興組合の理事長であり、高松丸亀町まちづくり株式会社の専務の古川さんに、オープンして間もない「美術館北通り診療所」を案内していただきました。
古川さんによれば、以前は医療施設が数多くあったが、居住者の減少とともに医療施設がなくなり医療過疎地になったとのこと。このため、高松丸亀町出身の自治医科大学教授に開業を頼み、常勤医師が3人の診療所がオープンするに至ったとのこと。
診療所の施設は、従来の医療施設とは異なり、ある種くつろぎの空間ともなっています。訪問診療を積極的に行うということもあってか、階上の分譲マンションは即日完売となったとのことでした。
古川理事長さん、丁寧なご説明ありがとうございました。